労働保険とは、労働者災害補償保険(労災保険)と雇用保険を合わせたものをいいます。このうち労災保険の保険料は全額事業主の負担となりますので、給与計算の際に控除するのは、雇用保険料のみとなります。
雇用保険の保険料率は、事業の種類により3種類の保険料率があり、事業主と社員の負担割合もそれぞれ定められています。
産業別の雇用保険料率表(平成17年4月1日より適用)
事業の種類 | 雇用保険料率 |
被保険者負担 | 事業主負担 | 合計 |
一般の事業 | 8/1000 | 11.5/1000 | 19.5/1000 |
農林水産・酒造の事業 | 9/1000 | 12.5/1000 | 21.5/1000 |
建設の事業 | 9/1000 | 13.5/1000 | 22.5/1000 |
※各保険料率は、賃金総額に対する率です。
給与計算では、社員負担分の保険料を控除することになるのですが、これは給与の総支給額に1000分の8(0.8%)または1000分の9(0.9%)を乗じて算出してください。計算で生じた1円未満の端数は切り捨てます。
雇用保険料は、毎月の給与計算のたびに、この作業を行います。各月の支給額が変動すると雇用保険料も変動しますし、給与の支給がなければ雇用保険料は発生しません。社会保険料とは異なった取り扱いとなっています。
なお、社会保険料・雇用保険料を決定する給与の額には、非課税給与である通勤手当等も含めて計算します。給与計算の担当者であっても、意外に多くの人が勘違いをしていますので注意してください。