企業経営バーチャル資料室一件楽着
考事苑  |  掲示板  |  ダウンロード  |  よくある質問
印刷用ページ
 
ホーム考事苑確定申告確定申告で税金を取り戻そう住宅借入金(取得等)特別控除を利用する確定申告

住宅借入金(取得等)特別控除を利用する確定申告(1)

前へ 上の階層へ 次へ
新規住宅の施工数量は、今年に入り、政策的な後押しもあり、前年に比較して10%以上増加しています。マンションの契約成立件数も増加傾向にあります。その上、現在の低金利政策により住宅ローンの利率は、史上まれにみる低さとなっています。
このため、賃借料を支払う代わりにローンを組んで新規住宅を取得している方も少なくありません。これらの方には、住宅取得の促進及び負担の軽減目的から「住宅借入金(取得等)特別控除」を受けられるようにしています。これを受けるには、一定の適用要件をクリアする必要があります。ここでは、その住宅借入金(取得等)特別控除の内容をみていきましょう。

1-1 住宅借入金(取得等)特別控除の改正点

住宅借入金(取得等)特別控除は平成11年度の税制改正で大きく改正されました。住宅の取得に伴う経済効果波及は、公共事業投資により高いと言われていることもあり、今回の改正の目玉となりました。

[1]改正点の概要

本来この控除は、住宅の促進とその負担緩和を目的に設けられたものですが、今年は経済効果を考えて、適用範囲の拡充等による改正が行われました。今回の改正は、平成11年から平成13年6月30日まで限定される改正点と平成11年以降の全ての年に適用される改正点があることに注意してください。

平成11年から平成13年6月30日まで適用される点
1.借入限度額の引き上げ
平成10年度までは、住宅借入金(取得等)特別控除の対象となる住宅借入金等の限度額は、3000万円でしたが、平成11年から平成13年6月30日については、5000万円に引き上げられました。
2.控除期間
この控除の対象となる期間は、従来6年間のみの適用でしたが、平成11年から平成13年6月30日については、15年間控除できるようになりました。
3.控除率及び控除限度額
住宅借入金(取得等)特別控除の対象となる税額控除額の計算には、年末の借入金等に次の控除率を乗じて計算します。この規定も平成11年から平成13年6月30日までに居住のように供した場合に限られ、それ以外の年は、従来の規定になりますので注意してください。
控除期間 1年目〜6年目 7年目〜11年目 12年目〜15年目
控除率 1% 0.75% 0.5%
最大控除額 500,000円 375,000円 250,000円
※ このことにより、15年間を通じて最高5,875,000円の控除を受けることが可能となりました。
※ 平成11年から平成13年6月30日以降は、従来の適用により、この規定の適用される6年間のうち、それぞれの年に異なります。
※ 平成13年7月1日から12月31日は、6年間のそれぞれ年25万円を限度として、最高150万円の控除を受けることになります。


平成11年以降の全ての年に適用される点
1.借入金の範囲(土地の部分の取扱い)
この住宅借入金(取得等)特別控除の対象となる借入金等は、住宅の家屋部分に限られていましたが 、平成11年以降にこの規定を適用する場合には、その対象となった住宅の敷地部分の土地等に取得のためのものも 含まれるようになりました。
2.床面積制限の上限廃止
この対象となる家屋の床面積は、50m2以上240m2以下という制限が、設けられていましたが、上限の床面積制限が平成11年以降廃止されました。
3.既存住宅の経過年数
この控除の対象となる既存住宅の築後経過年数について、平成11年以降、耐火建築物については25年(改正前20年)以内、耐火建築物以外については20年(改正前15年)以内の  ものとなりました。
4.使用者等からの住宅借入金の対象となる利率
会社等の使用者から住宅借入金をした場合、平成11年以降、その借入金に対する利率が1%(改正前3%)以上であるものが対象となりました。
5.居住財産の譲渡損失の繰越控除
特定の居住用財産の買い換え譲渡損失が発生した場合、買い換えにともなう借入金等がある場合には、従来、譲渡損失の繰越控除と住宅借入金(取得等)特別控除の選択適用でしたが、平成11年以降については、併用できることとなりました。

1-2 平成11年1月1日から平成11年3月31日までに居住した方

平成11年1月1日から平成11年3月31日までに居住した方は、従来の6年間適用の法律と15年間適用される新しい法律の選択適用が認められています。
普通に考えれば、新しい法律を適用した方が有利ですが、借入金額が少なく今後、繰り上げ返済を考えている方は、従来の適用をされた方が有利になる場合があります。ですから、借入金額が少額で繰り上げ返済を考えている方は、一度両方の方法によりシュミレーションしてみて判断してください。

1-3 適用要件について

[1]居住用家屋等の範囲

住宅借入金(取得等)特別控除の対象となる家屋は、次の要件を満たさなければなりません。 ここでは、その具体的な要件の判断要素を見ていきましょう。

●新築住宅の取得

面積制限 その取得した家屋の面積が、50m2以上であること。この面積は、建物の登記簿謄本により確認します。また、不動産重要事項説明書または契約書により確認もできますが、実際の謄本と同じであるか確認してください。
居住割合 この特別控除は、あくまで居住用であることを前提としていますので、上記面積制限で確認した床面積の1/2以上が、本人自ら居住用に使用していなければなりません。 建物を取得してから6ヶ月以内に入居し、各年の12月31日までに引き続き居住していなければなりません。
居住要件 建物を取得してから6ヶ月以内に入居し、各年の12月31日までに引き続き居住していなければなりません。
この「6ヶ月以内の入居」とは、単に住民票の移動だけを意味していません。住民票だけを移動し、実際には居住していないといったことも考えられるため、通常生活している証として、公共料金たとえば電気代の領収書・地方公共団体等が送付した郵便物等の提出を求められ、その消印等により、判定されることもあります。
いずれにしろ居住用に住宅を取得した場合には、住民票を遅滞なく移動し、すみやかに引っこすことが望まれます。
また、この特別控除は、平成11年から平成13年6月30日までに限り15年間控除を受けることができますが、その各年の12月31日まで引き続き居住していなければなりません。これは、あくまでも居住用物件のみを適用対象としているためです。

●中古住宅の取得

中古住宅の場合には、新築住宅の場合の要件である上記の「面積制限」「居住割合」「居住用件」の他に次の要件を満たしていなければなりません。
築年数 耐火建築物のマンションなどは、その取得の日から25年以内に建築されたものであること。
耐火建物以外の建物については、その取得の日から20年以内に建築されたものであること。
これらの、築年数の判断は、通常建物の登記簿謄本によるその建築日からその取得の日までの年月により判断いたします。
居住割合 中古建物を取得した場合でも、次のようなときはこの規定を適用することはできません。
  1. 贈与による取得
  2. 本人の親族等特別な関係にある者から取得

●増改築した場合

現在居住している家屋を増改築した場合にも、その増改築後の家屋が下記の一定の条件を満たす場合には、住宅借入金(取得等)特別控除の適用があります。
ここでいう増改築とは、床等の過半数以上の大規模な模様替え・リフォームだけでなく、台所・居所・玄関等の修繕等も対象となります。皆さんの中で、増改築を考えている方は、一度税務署に確認してみてください。
増改築後の家屋の床面積が50m2以上であること
増改築したことにより、床面積が増加している場合もありますので、建物の登記簿謄本の面積を登記変更する必要が出てきます。その変更後の登記簿謄本の床面積により面積を確認します。
増改築後の家屋の床面積の1/2以上を、本人自ら居住に使用していること
居住要件 増改築した日から6ヶ月以内に入居し、各年の12月31日までに引き続き居住していなければなりません。
住民票により確認するのが一般的ですが、家屋の取得の時と同様に公共料金の領収書や郵送物により確認できれば居住証拠となります。
費用要件 その増改築に要した金額が、100万円を超え、その費用の1/2以上が居住用部分に使用されていること。

●土地等の範囲

平成11年以降の住宅借入金(取得等)特別控除の対象となった土地等の範囲は、次のようになります。
新築・中古建物の敷地 新築住宅または既存住宅とともにこれらの家屋の敷地に供されているもの。
新築後に借り入れた借入金等で返済の敷地 新築した住宅の敷地に供されている土地等をその住宅の新築日前に取得したもので、その新築と土地等取得にあてるために一定の金融機関等から借り入れた借入金をその受領が新築工事の着工後にされたもの。
成立条件付土地等 土地等の宅地建物取引業者との間で締結された契約で、その契約の成立条件として、その土地等を取得等してから3ヶ月以内にその取得した土地等に住宅を新築する工事の請負契約をその者と結ぶこと等が定められているもの。
先行取得の敷地 新築した住宅の敷地に供した土地等をその新築の日から2年前以内に取得したもので、その取得のための資金を金融機関・地方公共団体または貸金業者からの借り入れたもので一定の要件を満たすもの。
※ 土地等の範囲も建物等と同様に詳細が規定されていますので、一度税務署等に確認してみてください。

[2]金融機関の借入金の範囲

住宅借入金(取得等)特別控除の対象となる金融機関の借入金とは、次のような条件を満たすものをいいます。
借入金 この特別控除の対象となる金融機関とは、民間金融機関・公的金融機関を問わず対象となります。ただし、ご自分の両親・親類などの個人から借り入れた場合には、対象となりません。
勤めている会社等からの借入金である場合には、支払利息が1%以上であるものに限られます。この支払利息について会社等が利息の補填をする利子補給制度を設けている場合には、その金額を除いた実質支払利息が1%以上であるものに限られますので注意してください。
返却期間 借入金の返済期間が、10年以上の借入金であること。つまり、実際に借入金の元金を返済する期間が10年以上のものをいいます。利息のみ支払う元金返済据え置き期間は、この返済期間に含めず判定しますので注意してください。
乗り換え 借り替えとは、建物等を取得時に組んだ借入利息金利より、現在の借入利息金利の方が低い場合に、借入金を組み直すことをいいます。現在、公定歩合が0.5%という低金利であるため、借入残額が1000万円以上、金利差が1%以上ある場合に借り換えによる諸経費を考慮しても有利になるといわれています。
このような、借り換えの場合にも建物等を取得等してから15年以内の借り換えなどの要件を満たす場合には、対象となりますので一度、金融機関または税務署に確認してみてください。

平成13年1月19日改定 前へ 上の階層へ 次へ


一件楽着とは - 会社概要 - 個人情報保護ポリシー - リンクについて - 免責事項 - お問い合わせ
Copyright © 2006-2025Internet Business Service Corp. All Rights Reserved.