企業経営バーチャル資料室一件楽着
考事苑  |  掲示板  |  ダウンロード  |  よくある質問
印刷用ページ
 
ホーム考事苑確定申告身近な所得税不動産や財産にかかる所得税

土地やマンション等を貸している場合(不動産所得)

前へ 上の階層へ 次へ

1-1 不動産所得の範囲

サラリーマンの方でもアパートやマンション等を賃貸している人もいるかと思います。これら不動産を貸付けたことにより生じる所得が、「不動産所得」です。
不動産所得に該当する賃貸の対象となる資産は、次のようになります。


次のようなものは、申告上間違えやすいのでひととおり確認してみてください。

内容所得
アパート、下宿等 食事を供するもの 事業所得または雑所得
食事を供さないもの 不動産所得
ショーケース等の貸付 不動産所得
広告等のため、土地・家屋の屋上または側面、塀等を使用させる場合 不動産所得
借地権等の更新料・名義書替料 下記の場合以外 不動産所得
土地の(更地)の価額の1/2超の場合 譲渡所得
不動産業者が販売の目的で取得した不動産を一時的に貸し付け場合 事業所得

1-2 不動産所得の金額の計算

不動産所得の金額は、次の算式により計算した金額となります。

1-3 事業的規模かどうか?

不動産所得は、その規模により「事業的規模」と「それ以外の規模」の2つに分かれます。

[1]不動産所得の事業的規模とそれ以外の比較

事業的規模については、下記のような優遇措置があります。
なお、不動産所得の基因となる不動産等の貸付が、事業的規模でも事業所得にならず、不動産所得になります。
内容事業的規模事業的規模以外
青色事業専従者給与 適用があり家族に給与を支
払うことが可能
適用がなく家族に給与
を支払うことが不可能
資産損失の必要経費算入 全額費用とすることができる その年の不動産所得の
金額を限度とする
青色申告特別控除 55万円・45万円・10万円のいずれかの控除ができる 10万円の控除のみ
利子税の必要経費算入 計算式の分子の含まれる 計算式の分子に含まれない
未収賃貸料の貸倒損失 必要経費となる 必要経費とならない
貸倒引当金の個別評価 個別評価により貸倒引当金
を計上することができる
貸倒引当金を計上する
ことができない


[2]事業的規模の判断

事業的規模であるかどうかは事業の規模・収益状況等により判断しますが、その判断が難しい場合は下記の基準によります。
建物 アパート等の場合については、その室数が10室以上
独立した家屋の場合、5棟以上
土地 土地の貸付は、5件で上記の1室に換算


1-4 不動産所得収入金額及び計上時期

アパート・マンション・土地等を賃貸することにより受け取る収入のうち、不動産所得の計算上、 総収入金額になるものとならないものとがあります。

[1]総収入金額の範囲

総収入になるもの 総収入にならないもの
・家賃 ・地代等の名目で受ける賃料
・礼金 
・権利金 
・更新料
・名義書替料 
・公共費
・管理費等
・保証金 
・敷金等

※ただし、相手に返す必要のないものは総収入金額になります。

[2]収入金額の計上時期

不動産等を賃貸し、収入を得た場合等、それぞれどの年の収入として計上すればよいのでしょうか。
具体的には次にあげる日の属する年の収入金額とします。
a 契約書等により支払日が定められている場合 その支払日
b 契約書等により支払日が定められていない場合 その支払いを受けた日
c 請求書等が送付されてきた時に支払うべきものと
される場合
その請求日
d 賃料に関する係争で賃料の弁済のため、供託された場合 上記abcに準ずる日
e 賃貸借契約の存否の係争等に係わる和解・判決等
があった場合
その和解・判決のあった日
f 継続的に記帳等している場合 その年分の貸付期間対応分
g 賃貸に伴って一時的に受ける礼金・名義書替料等で  
  契約に伴い資産の引渡しを要する場合 引渡し日
資産の引渡しを要しない場合効力発生の日

[3]注意事項

通常の契約では、ほとんど前の表のaで処理されると思います。支払日が年末にかかり、その支払日に支払を受けていない、ないしは支払日以降に支払われるものまで受けとっている場合の処理は、以下のようになります。
  • その年末においても支払いを受けていない場合・・・未収入家賃(資産)
  • その年の年末以降の分も支払いを受けている場合・・・前受家賃(負債)
(例)矢印の日までの家賃の支払いを受けている場合


● 保証金について

保証金・敷金については、通常借主が貸主に預けるもので、資産の明け渡しの時には貸主が借主へ返さなければなりません。ただし、返さなくてもよいものは不動産所得の収入金額になることは、総収入金額の範囲で述べてあります。
返還する保証金については、貸借期間の間、無利息で貸主が一時的に預かっているものといえ、その無利息の実際の効果(例:これで定期預金を組んでいれば利息がもらえます。)については、一定の要件に該当する時は、収入金額になります。

● 平均課税

礼金・権利金・更新料等で不動産所得に該当するもののうち、一定の要件を満たす時は、総合課税ではなく平均課税による場合があります。

平成13年1月19日改定 前へ 上の階層へ 次へ

---
---

一件楽着とは - 会社概要 - 個人情報保護ポリシー - リンクについて - 免責事項 - お問い合わせ
Copyright © 2006-2025Internet Business Service Corp. All Rights Reserved.