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土地や有価証券を譲渡した場合(譲渡所得)

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2-6 土地等・建物等の分離課税の特例

土地等・建物等の分離課税の譲渡所得には、次のように居住用と居住用以外で別々に特例が設けられています。

居住用に関して
みなさんが、通常住んでいる住宅についてはその特殊性等を考慮して、次のような扱いが設けられています。


居住用以外に関して
上記の居住用以外の譲渡所得の特例の主なものには、次のようなものがあります。

[1]居住用財産の3000万円の特別控除額

● 内容
自分が居住している家屋やその家屋とともにその敷地(土地・借地権)を売却した場合、または過去に自分が居住していた家屋(売却の年の3年前の1月2日以後、居住しなくなったものに限る)やその家屋とともにその敷地を売却した場合に、長期譲渡所得または短期譲渡所得のどちらに該当する場合でも、その譲渡所得の金額から最高3000万円の特別控除額が差し引かれます。

● 居住している家屋の範囲
この適用が受けられる家屋には、次のような場合が含まれます。
転勤等の場合 転勤、転地療養等のため、配偶者等と離れて単身赴任等により他で起居してい
る場合で、転勤等の事情が解消された後は、配偶者等と同居すると認められる
場合に、その配偶者等が居住している家屋
取り壊し後の
譲渡の場合
自分が現在まで引き続き居住または過去に居住していた家屋を取り壊し、そ
の家屋の取り壊し後、売買契約を結ぶ日までに、その土地を他に貸す等せず、
その家屋を取り壊し日から1年以内に売買契約を結び、かつ、その家屋に居住
しなくなった日から3年を経過した年の12月31日までに売却した場合

● 申告時の注意点
(1) 店舗併用住宅の場合は、居住部分のみ適用されるため、店舗部分と居住用部分に按分する必要があります。

(2) 居住している家屋を2つ以上所有している場合には、自分が主に居住している家屋に限られます。

(3) 過去に自分が居住していた家屋(売却の年の3年前の1月2日以降に居住しなくなったものに限る)や敷地を売却した場合、その家屋に居住しなくなった後、どのように使用していてもこの適用が受けられます。

(4) 住宅取得等特別控除の適用と重複して適用することはできません。

(5) 次の場合には、この適用は受けられません。
a.この特例を受けるために入居したと認められる時・仮住まいである家屋の時・別荘等
b.配偶者・父母等の直系血族等及び特殊関係法人に売却した場合
c.収用等の課税の特例を受けた場合
d.その年の前年及び前々年にこの特例・居住用資産の買い換え・相続等により取得した居住用財産等の買い換えの特例を受けている場合

(6) この特例を受けた場合には、通常の長期譲渡所得の100万円の特別控除は受けられません。

● 計算方法

上記3000万円の特別控除は、長期(短期)譲渡所得を限度とします。この特例を受けた場合には譲渡損は、でないこととなります。

● この申告手続き上の注意点
確定申告書に
記載
この特例を受ける場合には、この特例である「措置法35条」の旨を確定申告
書に記載していることが必要です。
必要書類 「譲渡所得計算明細書」及びその資産売却後2ヶ月後の住民票の写しを確定申
告書と一緒に提出しなければなりません。夫婦等の家族で居住用財産を共有
名義にしている時は、個々の夫婦等の家族一人ごとに、この特例の3000万円
の特別控除を受けられます。この場合居住用財産の譲渡所得の計算につい
ては、持ち分けごとに按分して計算します。

[2]所有期間が10年超の居住用財産の軽減税率

売却した年の1月1日現在で所有期間が10年超える自己の居住用の家屋及び敷地(居住用財産)を売却した場合には、居住用財産の3000万円の特別控除額を差し引いた後の長期譲渡所得に対する税率は、軽減税率を適用することができます。

● 申告上の注意
前記居住用財産の3000万円の特別控除の申告上の注意の?〜?までと?のa.〜c.については同様です。その年の前年及び前々年に、この特例を受けている場合には、この特例を適用することはできません。

● 税額の計算方法
課税長期譲渡所得 税額計算方法
6000万円以下 課税長期譲渡所得×10%
6000万円超 (課税長期譲渡所得-6000万円)×15%+600万円
この場合の課税長期譲渡所得は、居住用財産の3000万円の特別控除を受ける場合には、これを控除した後の金額になります。

● 申告手続き上の注意点
確定申告書に
記載
この特例を受ける場合には、確定申告書に「措置法31条の3」と、この特例を
受ける旨を記載しなければならない。
必要書類 居住用財産の登記簿謄本(抄本)等や、前記の3000万円の特別控除の場合と
同じく住民票の写しを提出することが必要です。また、前記の特別控除も受け
る場合には、譲渡所得計算明細書も提出することが必要です。

[3]相続等により取得した居住用財産の特例

自分の父母・祖父母から相続または遺贈により取得した自己の居住用財産で、一定の要件に該当するものを売却した場合、売却した年の前年から翌年までの3年の間に代わりの居住用財産を取得し、かつ、一定の期間内にそこに居住する場合には、譲渡所得の計算について特例があります。この特例は、売却した居住用財産の売却代金が買い換え居住用財産の取得代金より多い場合に限り、その差額について税金がかかります。

● 適用要件

● 申告上の注意点
居住用財産の3000万円特別控除及び特定の居住用財産の買い換えの特例を受けた場合には、この特例は受けられません。

● 計算方法

● 申告手続上の注意点

[4]これまでにとりあげた以外の特例で主なもの

● 特定の居住用財産の買い換え
売却した年の1月1日現在で所有期間が10年を超える自己の居住用財産で、一定の要件に該当するものを売却して、売却した年の前年から翌年までの3年間の間に代わりの居住用財産を取得し、かつ、一定の期間内にそこに居住する場合には、居住用財産の売却代金が買い換え居住用財産の取得代金より多い場合に限り、その差額にだけ税金をかけるという特例があります。

● 特定の事業用資産の買い換え
事業に使用している特定の土地・建物を売却し、売却した年または前年中に事業用特定資産を取得したか、あるいは売却した年の翌年中に事業用特定資産を取得する予定であり、その取得資産を取得日から1年以内に事業に使用する場合には、譲渡益のうち買い換え資産の80%相当部分については、取得価額を引継、残り20%相当分に20%税金をかける等という特例があります。
この場合、長期譲渡所得の100万円の特別控除を受けることはできません。

● 土地・建物等固定資産を同種資産と交換
1年以上所有していた土地・建物等の固定資産を、他人が1年以上所有していた同種の固定資産と交換した場合で、交換資産の時価差額が高い方の時価の20%以下であり、かつ、同じ用途として使用した場合には、相手から金銭等交換差金をもらった場合だけ、その交換差金の部分に税金がかかるという特例があります。

● 収用等の場合
土地収用法等により公共事業のために土地・建物が収用され、補償金等を取得した場合には、次のような特例があります。
5000万円の特別控除 一定の条件を満たす場合には、その譲渡益から5000万円(その収
用等にかかる譲渡益を限度とする)の特別控除額を控除することが
できます。
代替資産課税の特例 収用等により代替資産の取得及び補償金等を受け取った場合には、
取得資産の価額等の特例等の課税の繰り延べの規定があります。

2-7 株式等を売却した場合

[1]課税方法

株式等を売却した場合には、次のような課税方法があります。

● 源泉分離課税
源泉分離課税は、株式等の売却代金の1.05%(転換社債は0.5%)相当額で所得税が源泉徴収され、残りの金額が手取額となる方法です。これにより課税関係が終了します。

● 申告分離課税
申告分離課税は、通常の譲渡所得の計算と同じで、次のとおりです。

この申告課税は、申告時に他のものとは区別して所得税を計算するものです。

[2]申告方法

● 源泉分離課税
この方法を適用しようとする場合には、証券会社を通じて「上場株式等に係る譲渡所得等の分離課税の選択申告書」を提出しなければなりません。

● 申告分離課税
確定申告時に、「分離課税用」の申告書を使用します。「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」を添付する必要があります。

[3]申告上の注意

有価証券の内容 課税区分
公社債等(転換社債・新株
引受権付社債を除く
短期割引国債等 総合課税(譲渡所得)
上記以外 非課税
株式(転換社債・新株引受権付社債含む) 譲渡所得として源泉分離課税
または申告分離課税
株式形式のゴルフ会員権 総合課税(譲渡所得)
一定の土地保有会社等の株式 土地等の分離課税(譲渡所得)
有価証券の先物取引 総合課税(事業所得または雑所得)

[4]創業者利潤の課税特例

創業者が株式等を証券会社を通じて売却した場合、一定の要件を満たせば、その譲渡所得を2分の1として分離課税します。

2-8 不動産業者等の場合(土地の譲渡等に係る事業所得・雑所得)

通常土地・建物等を譲渡した場合には、譲渡所得とし分離課税されますが、土地等・建物等の譲渡を事業としている不動産業者等については、次のような取り扱いとなります。

[1]取り扱い

個人(不動産業者等)が、他の者から取得した土地等で事業所得・雑所得の基因となるものについては、その譲渡した年の1月1日における所有期間の違いにより次のような課税方法となります。
所有期間 課税方法
5年超 事業所得または雑所得として総合課税
5年以下 事業所得または雑所得として短期分離課税
平成10年1月1日から平成12年12月31日までの間は、短期分離課税扱いされないことになりました。つまりこの間は、5年以下、5年超の区分なく、事業所得または雑所得として総合課税されます。

[2]譲渡の範囲

この場合の譲渡は、通常の譲渡の範囲に加え、特に下記dが含まれることに注意してください。

[3]税額計算

通常の事業所得または雑所得として総合課税されます。

平成13年1月19日改定 前へ 上の階層へ 次へ

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