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所得控除（その２）

3-5　生命保険料を支払った場合（生命保険料控除）

生命保険料控除とは、生命保険契約等及び個人保険年金契約等により保険料を支払った場合に、その費用を控除するものです。

［1］生命保険料控除の額

通常の生命保険料と個人年金のそれぞれについて、次の算式で計算した金額です。

その年の保険料・個人年金の額	算式
25,000円以下	金額
25,000円超　50,000円以下	支払保険料等の額×1/2＋12,500円
50,000円超　100,000円以下	支払保険料等の額×1/4＋25,000円
100,000円超	50,000円

生命保険契約等と個人保険年金契約等の保険料が、それぞれ100,000円以上の場合は、最高額の100,000円控除となります。
その年の生命保険料及び個人年金の額は、実際に払った金額から剰余金の分配・割戻金の割戻しがある場合には、その金額を控除した金額となります。

［2］生命保険・個人年金の範囲

● 生命保険契約等の範囲
次の契約によるもので、保険金の受取人が本人・配偶者・その他の親族となっているものです。

生命保険会社等による生命保険契約（保険期間が5年未満等のものを除く）
簡易生命保険契約
農協協同組合の生命共済契約
適格退職年金契約等

● 個人保険年金契約等の範囲
「生命保険契約等の範囲」のa～cまでの個人保険年金契約によるもので、年金の受け取りが本人・配偶者となっており、年金支払いの開始前10年以上にわたって払込が定期的に行われている等の要件を満たすものです。

［3］確定申告上の注意

確定申告に際して「保険料控除証明書」・「保険料控除証明書（年金用）」の証明書の添付が必要ですが生命保険料で年間9,000円以下のものについては、添付する必要はありません。
所得補償保険は控除対象になりません。

3-6　損害保険料を支払った場合（損害保険料控除）

損害保険料控除とは、損害保険契約等により保険料を支払った場合に、その費用を控除するものです。

［1］損害保険料控除の額

	短期損害保険料	長期損害保険料
内容	右記以外の損害保険料	保険期間が10年以上でかつ満期払戻金のあるもの
支払保険料	控除金額	支払保険料	控除金額
2,000円以下	金額	10,000円以下	金額
2,001～4,000	支払保険料×1/2＋1,000	10,001～20,000	支払保険料×1/2＋5,000
4,001円以上	3,000	20,001円以上	15,000

［2］損害保険契約の範囲

損害保険料控除の対象となる契約は、次のとおりです。

本人とその本人と生計を一にする配偶者やその他の親族が有する居住用家屋または家財等を対象とする保険契約。
本人とその本人と生計を一にする配偶者やその他の親族を対象とする傷害保険契約。

［3］申告上の注意

確定申告に際して、「損害保険控除証明書」を添付する必要があります。

3-7　寄付をした場合（寄付金控除）

寄付金控除とは、特定寄付金を支出した場合に控除を受けるものです。

［1］寄付金控除の額

寄付金控除の額は以下の手順で計算します。

a	以下のいずれか少ない方の金額　支出した寄付金の額　総取得金額等の合計額×25%
b	10,000円
c	a-b

［2］寄付金の範囲

寄付金控除の対象となる寄付金は、下記に対するものです。

国、地方公共団体に対するもの
民法の規定によって設立された公益法人等に対するもの
特定公益増進法人に対するもの
特定公益信託の信託財産とするためのもの
政治活動に対するもの

［3］申告上の注意点

確定申告に際して、「特定寄付金の明細書」・「受領書」等の書類を添付する必要があります。
控除の対象となるものは、実際に支出したものに限られます。
私立学校の入学時の寄付金は、控除対象とはなりません。
政治活動に対する寄付金については、平成7年1月1日から生成16年12月31日までの期間、所得控除に代えて、税額控除を適用することができます。

3-8　障害を持っている場合（障害者控除）

障害者控除とは、本人・控除対象配偶者・扶養親族が障害者に該当する場合に、27万円を控除するものです。障害者のうち、「特別障害者」に該当する時は、40万円を控除します。

［1］障害者の要件

障害者とは、本人・控除対象配偶者・扶養親族のうち、次のような人をいいます。

精神保健指定医等から精神薄弱者と判定された人。
精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人。
精神に障害がある人で、厚生大臣等から認定の書類の交付を受けている人。
身体障害者手帳に身体上の障害がある者として記載されている人。
戦傷病者手帳の交付を受けた人等一定の人。

特別障害者とは、障害者のうち次のような人をいいます。

心神喪失の常況にある人。
重度の精神薄弱者と判定された人。
身体障害者手帳が1級・2級である人。
常に就床を要し、複雑な看護を要する人等。

3-9　本人が65歳以上の場合

老年者控除とは、本人が次の条件を満たす場合は、50万円を控除します。

その年の12月31日現在の年齢が、65歳以上。
その年の合計所得金額が、1,000万円以下。

合計所得金額とは、純損失・雑損失の繰越控除を適用する前の総所得金額等の合計です

平成13年1月19日改定