償却方法の概要
減価償却資産の減価償却方法は、通常の償却方法と特殊な償却方法の2つの償却方法があります。このうち特殊な償却方法等については、税務署長の承認又は国税局長の認定を受けなければならないことになっています。通常用いられる減価償却資産の償却方法には、次の2つがあります。
償却方法 |
償却方法の特徴 |
定率法 |
毎事業年度において一定の償却率により計算していく方法 |
定額法 |
毎事業年度において同額の償却費を計上する方法 |
また、法人税法では、資産の種類により、その償却方法が決められています。資産の種類によって選択可能な償却方法と法定償却方法を以下に示します。
資産の種類 |
選択可能償却方法 |
法定償却方法 |
建物以外の有形減価償却資産 |
定率法・定額法 |
定率法 |
建物 |
定率法・定額法(平成10年3月31日以前取得) 定額法(平成10年4月1日以後取得) |
定率法(平成10年3月31日以前取得) 定額法(平成10年4月1日以後取得) |
無形減価償却資産 |
定額法 |
定額法 |
営業権 |
任意償却(平成10年3月31日以前取得) 5年間均等償却(平成10年4月1日以後取得) |
5年間均等償却(平成10年4月1日以後取得) |
※法定償却方法とは、法人が償却方法の選択を税務署長等に届け出なった場合に適用される法人税法上の償却方法です。
償却方法の選定及び届け出
法人の減価償却方法は、その区分ごと、かつ、その種類ごとに選択することとなっています。
(1)「減価償却資産の償却方法の届出書」
法人が減価償却資産を取得した場合は、その事業年度の確定申告書の提出期限までに、 選択しようとする評価方法を記載したこの届出書を所轄税務署長に提出することとなっています。
なお、特別な場合は以下のようになります。
- 新たに設立した法人・・・・・・・・・・・・・・・・・・・設立の日
- 既に選定した償却方法と異なる減価償却資産を取得した場合
・・・・・・・・・・・・・・・・・・その資産の取得日
(2)「減価償却資産の償却方法の変更承認申請書」
減価償却方法を変更しようとする時は、変更しようとする事業開始の日の前日までに変更理由等を記載したこの申請書を税務署長に提出しなければなりません。その事業年度終了の日までに承認又は却下の処分が無い場合は、承認されたものとして取り扱います。
本書の対象となる決算月(一年決算の場合)
この「税務申告」の内容は平成13年3月〜平成14年2月が決算月となる法人を対象としています。税制に関する法令等は改正されることが多いため、必ず対象となる決算月を確認してください。
なお文書内容は平成12年9月現在の税法等に基づいて作成されています。